システムエンジニアとしてSES(技術者派遣)で働くのはアリか?

システムエンジニア業界ではSESという企業が存在します。エンジニア業界に在籍している人、興味を持っている人なら聞いたことがあるかもしれません。

SESはクソと言われたりすることがありますが、このSESで働くのはアリか実際に働いている筆者がまとめてみます。

そもそもSESとは何か?

そもそもSESとは何なのか、ですが以下をご覧ください。

SES(システムエンジニアリングサービス)とはソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種であり、特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約です。

出典:ビジネス用語集

簡単に言ってしまうと、客先に技術者を派遣することです。

技術力は身につくのか?

客先次第ですが、おおよそ身に付きます。

客先でどういうポジションに就くかによっても変わってきます。技術者として下流工程(コーディング・テスト)をやるのか、運用をやるのか、PM(プロジェクトマネージャー)や設計をやるのかなど。

実作業をするポジションであれば技術力は身についていきます。

情シスや社内SEは技術力が付きにくい

これらのポジションの他に情シス(情報システム)や社内SEなどもあります。

このポジションの場合、社内のITに関する雑務をやることが多く、あまり技術力は付きません。

他にテスターとかもありますが、これも技術力はつきません。将来別の現場へ行くことを考えたらあまり長く続けたくない仕事です。

SESの給与・待遇は良い?悪い?

大手で自社開発をやっている会社と比較すると相対的に落ちます。SESの会社が手数料を抜く分、仕方ありません。

IT業界はまずまず給与・待遇は良い方なので全体的に見れば中の中~中の上くらいの印象です。

会社によっては契約金額の70%~75%を還元するという会社もあるので、そういう会社だとまずまずの給与がもらえます。

ただし契約金額は営業が客先と交渉しての金額になるので自分ではほぼ関与できません。また1次請けなら契約金が高めになりますが、2次請け・3次請けとなると契約金が安めになります。

SESへは就職しやすい?

基本的に就職しやすいです。

汎用的な技術があるかSESと取引のある会社にマッチングした経歴・技術スキルがあればかなり就職しやすいです。

汎用的な技術とはJava+Spring Frameworkなど。現在だとJavaの実務経験があるかないかが一番大事です。他にはJavaScriptやPHP(+Laravel)、C#など。

これにDB(MySQL、PostgreSQL、Oracleなど)とLinuxの最低限のコマンドが打てれば大抵のSESは採用すると思います

私が以前在籍していたSESでは、需要が低く派遣先に困るので組み込み向けのC言語、C++は採用しなくなりました。他にCobolも金融系の一部でしか使われていないので取らなくなりました。

Web系の会社(自社でwebサービスを作っている会社。Yahooやサイバーエージェントなど)と付き合いがあるSESだとRuby(+Ruby on rails)、PHP(+Laravel)の実務経験者が喜ばれます。iOSアプリ開発のswift、Androidアプリ開発のkotlinも良いですね。

そこまでの経歴・技術スキルがなくてもIT業界は万年人手不足なのでそれなりの経歴と技術スキル、やる気があれば就職するのは難しくありません。

SESは経歴が弱くても希望の職種に就きやすい

SESでは経歴が浅くても比較的希望の職種に就きやすいです。

未経験や経験が浅い場合は転職活動をしてても不採用になることが多いですが、SESだと割と採用されやすいです。

というのは客先側からすると派遣契約なので、使えないと思ったらクビにすることもできます。正社員で採用すると簡単にはクビにできないので採用ハードルは高めにします。

希望の職種があるが、経験が浅くて面接に受からない場合はSESで希望の職種へ行き、経験を積むというのがおすすめです。会社を上手く使いましょう

SESで派遣先(客先)へ転職することはできる?

  • 基本的にできないと考えておくのが吉

 

これは契約次第です。契約で退職後1年間は客先へ転職してはいけないなどの約款を設けていたりします。

私が知っている限りだとスタッフサービスエンジニアリングはOKだったと思います。これは客先から紹介料金などをもらう契約をしているのではないかと推測しています。

客先へ転職することを禁止しているところでも転職する人もいます。SESの会社とケンカすることになるのでそこは覚悟しておく必要があります。

おすすめとしては同業他社へ転職するのが良いです。

SESの懸念点

  • 高齢になった時に客先面談が受かりにくくなる

 

高齢(40代後半)になってくると客先面談に合格しにくくなります。

これは高齢者だと長く働けないであったり、客先の人間がやりにくい(指示を出したりしにくい)などがあります。運用などでは徹夜作業などもあり、体力を懸念するということもあります。

もちろん人によっては50代でもバリバリやっている人もいます。そういう人は腰が低く、人当たりが良く、今必要とされている技術スキルを兼ね備えている印象です。

高齢になるまでにトレンドの技術スキルを高めておくか、自社開発の会社に転職するか、お金を貯めてセミリタイア生活に入るかなどを考えておく必要があります。

まとめ

SESへの転職はアリだと思っています。

やりたい職種が決まっているものの不採用が続く人は、SES経由で行きたい職種へ行き、その後転職というように上手くSESを使うというのがおすすめです。

ずっとSESへいるのものアリだと思います。飽き症の人でずっと同じ職場で働くのが苦痛という人には良いかと思います。

ただし自社開発の会社などと比較すると待遇が落ちるのはどうしてもあります。

また年齢ととも客先面談の合格率が下がるというのもあります。

あらかじめ念頭においておき、今必要とされる技術スキルを磨いておくことが必要です。

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